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１　相続放棄はできるだけ早く弁護士にご相談しましょう　

　結論から申し上げますと、相続放棄を弁護士に相談するタイミングは、早ければ早いほどよいといえます。

　一般論としても、法律に関する問題については、できるだけ早くご相談をされるのがよいといえるところ、相続放棄はとくに早期の相談が重要となります。

　その理由は、相続放棄には、相続の開始を知った日から３か月以内に行わなければならないという、極めて短い期限が設けられているためです。

　期限が迫ってからご相談をいただいた場合、弁護士であっても対応が不可能になることも考えられます。

　また、相続放棄をする際には、してはならない行為があります。

　例えば、相続財産である預貯金を費消してしまったり、建物の取り壊しをしてしまったりすると、相続放棄が認められなくなる可能性があります。

　これらの行為は、実務上は、故意に行われるということはあまりありません。

　相続放棄に関する法律知識がなかったがゆえに、うっかりやってしまったというケースがほとんどです。

　そのため、早めに弁護士に相談し、してはならない行為の説明を受けることで、円滑に相続放棄の手続きを行うことができるようになります。

 

２　ご存命のうちからご相談をされるのも有効です

　相続放棄の手続き自体は、相続の開始後（被相続人がお亡くなりになられた後）に行う必要があります。

　しかし、被相続人となるべき方がご存命のうちであっても、相続放棄をすることを検討されているのであれば、弁護士に相談することが大切です。

　その理由は、相続放棄を行う際に問題となる財産、契約関係の事前整理ができるためです。

　例えば、被相続人となる方が多少の現金、預貯金を持っている場合、ご存命のうちに相続人となる方へ贈与してしまうことができます（相続開始後は、相続放棄を前提とする場合、取得することができません）。

　被相続人となる方が賃貸住宅に住んでいる場合、ご存命のうちに解約または賃借人名義変更をし、かつ残置物を処分してしまうことで、相続放棄後のトラブルを軽減できます。

　電気、ガス、水道、携帯電話の契約などについても、事前に解約または名義変更をしてしまうと、相続開始後に発生する問題を回避できます。

　自動車がある場合も、相続開始後の処分は困難になるため、ご存命のうちに名義変更または売却・廃車処分をしてしまうことができます。